伊藤沙莉さんは、「虎に翼」の撮影を振り返り、「あっという間でした」と語っています。約11カ月にわたる長丁場の撮影でしたが、「すごく楽しかったですし、充実していました」と述べ、ヒロインを務める大変さよりも、作品作りの楽しさや充実感が勝っていたと明かしました。
特に印象に残っているのは、共演者やスタッフとの絆だったようです。「スタッフの皆さんとか、キャストの皆さんとか、みんなで作品を作っている楽しさとか、充実感の方が勝っていた1年だった」と語り、チームワークの良さが伝わってきます。
「あさイチ」のプレミアムトークでは、「虎に翼」の名シーンが振り返られました。特に注目されたのは、以下のシーンです:
これらのシーンについて、伊藤沙莉さんが演技に込めた思いや、撮影時のエピソードが語られました。特に、航一との愛のシーンでは、永遠を誓わないという設定に、当時の時代背景や寅子の性格が反映されているという解説がありました。
プレミアムトークでは、共演者からの秘話も明かされました。花江役の森田望智さん、よね役の土居志央梨さん、優三役の仲野太賀さんからのVTRコメントが放送され、伊藤沙莉さんとの共演エピソードや、撮影現場の雰囲気などが語られました。
特に印象的だったのは、仲野太賀さんが語った優三の出征シーンのエピソードです。感情的なシーンでの伊藤さんの演技力に感銘を受けたという話や、現場の緊張感が伝わってくるような秘話が披露されました。
これらの話を聞いた伊藤さんは感極まり、涙を流しながら共演者への感謝の気持ちを述べていました。
伊藤沙莉さんは、寅子役を演じるにあたって、自身の母親に思いを馳せながら演じたと明かしました。「爽やかな朝ドラヒロインに自分が受け入れてもらえると思っていなくて、心配だった」と語る一方で、実際に撮影が始まると、周囲の温かさに支えられたそうです。
寅子の成長や挑戦、そして時には挫折する姿を演じる中で、伊藤さんは自身の経験や母親の姿を重ね合わせていったようです。特に、法曹界という男性社会に飛び込んでいく寅子の勇気や決意を表現する際には、自身の母親の生き方から多くのインスピレーションを得たと語っています。
プレミアムトークでは、意外な情報も明かされました。寅子の活躍の裏には、実は「ブギウギ」のヒロイン・福来スズ子の姿があったというのです。この設定は、脚本家の吉田恵里香さんが、過去のNHK作品とのつながりを意識して組み込んだものだそうです。
福来スズ子は、1950年代に放送されたNHKのラジオドラマ「ブギウギ先生」のヒロインで、当時の若者たちに大きな影響を与えた人気キャラクターでした。寅子が法曹界に挑戦する際、このスズ子の存在が一種のロールモデルとなっていたという設定が、ドラマの奥行きを深めています。
この設定について、伊藤さんは「知った時は驚きました。でも、寅子の行動力や前向きさの源がわかったような気がして、演じる上でも大きなヒントになりました」と語っています。
以上のように、「虎に翼」のプレミアムトークでは、ドラマの表面からは見えない深い物語や、俳優たちの思いが明かされました。伊藤沙莉さんの熱演と共に、脚本や演出陣の緻密な設定や工夫が、この作品の魅力を一層引き立てていることがわかります。
最後に、チーフ演出の方からも伊藤さんへの絶賛の言葉がありました。「伊藤さんの演技力と人間性が、寅子という人物を本当に魅力的に作り上げてくれた」という言葉に、伊藤さんは再び涙を流していました。
このプレミアムトークを通じて、視聴者はドラマの新たな一面を知ることができ、作品への愛着がさらに深まったのではないでしょうか。「虎に翼」は、単なる法曹界の物語ではなく、人間の成長と挑戦、そして時代を超えた女性たちの絆を描いた、奥深い作品であることが改めて感じられる内容となりました。