「竹むら」は、東京都千代田区神田須田町に1930年(昭和5年)に創業した老舗の甘味処です。NHK連続テレビ小説「虎に翼」に登場する甘味処「竹もと」のモデルとなった店舗として注目を集めています。
創業当時、周辺に本格的な汁粉屋がなかったことから、高品質な汁粉を提供することを目指して開業しました。以来、90年以上にわたり、伝統の味を守り続けています。
「竹むら」の建物は、東京大空襲を奇跡的に免れた木造3階建ての貴重な建築物です。入母屋造りの外観や、欄間の竹と梅の装飾、軒下の木製吊り行灯など、昭和初期の風情を今に伝えています。この歴史的価値から、東京都選定歴史的建造物に指定されています。
「竹むら」の看板メニューは、なんといっても「揚げまんじゅう」です。こしあんを包んだまんじゅうに小麦粉の衣をつけ、上質な油でカラッと揚げた逸品で、多くの常連客に愛されています。
他にも、以下のメニューが人気を集めています:
これらのメニューは、北海道産小豆を使用した自家製餡を基本としており、素材にこだわった本格的な味わいが特徴です。
「虎に翼」に登場する甘味処「竹もと」は、「竹むら」をモデルにしていると言われています。ドラマ内での「竹もと」の設定と、実際の「竹むら」には多くの共通点があります:
ドラマの制作陣は、「竹むら」の歴史ある佇まいや、学生たちの憩いの場としての雰囲気を「竹もと」に反映させたと考えられます。
「竹むら」がある神田須田町エリアは、「奇跡の三角地帯」と呼ばれ、戦災を免れた歴史的な建物が多く残っています。「竹むら」を訪れた際には、以下のスポットも合わせて巡ってみるのがおすすめです:
これらの店舗は徒歩圏内にあり、昭和初期の東京の雰囲気を感じながら散策を楽しむことができます。
「竹むら」には、あまり知られていない魅力もあります:
これらの特徴は、「竹むら」が単なる老舗和菓子屋ではなく、時代とともに進化を続ける文化の発信地であることを示しています。
以上、「虎に翼」の甘味処「竹もと」のモデルとなった「竹むら」について、その歴史や魅力、ドラマとの関連性などを詳しく解説しました。94年の歴史を持つ「竹むら」は、単なる和菓子屋を超えて、日本の食文化や建築、文学、そして現代のポップカルチャーまでをも包含する、まさに「生きた文化財」と言えるでしょう。
ドラマ「虎に翼」のファンはもちろん、和菓子や日本の伝統文化に興味がある方、さらには東京の隠れた名所を探している方にとっても、「竹むら」は必見のスポットです。昭和初期の雰囲気を残す店内で、伝統の味を楽しみながら、ドラマの世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。